未来を透視した男・北澤楽天

明治から昭和初期にかけて、日本最初の職業漫画家として活躍した北澤楽天。
彼が創刊した日本初のカラー漫画誌『東京パック』や、時事新報が出した日本初の新聞日曜漫画『時事漫画』には、風刺漫画や時事漫画と並び、多くの未来画像が掲載されています。
おそらくもっとも有名な画像は『時事漫画』72号(1922年7月9日)に掲載されたテレビ電話「電写鏡」です。

電写鏡(『彼らが夢見た2000年』より)

『東京パック』では、1906年に「廿一世紀の新発明」というシリーズがあり、「1粒で1日に必要な滋養がとれる薬」「地震根本的撲滅法」「頭脳交換器械」「雨を自由自在に降らせる器械」などが掲載されました。

参考までに「早起器械」(1906年7月1日)を公開しておきます。

早起器械(『東京パック 復刻版』より)

続いて、東京勧業博覧会に際して発行された『博覧会パック』(1907年3月20日)より「一等金牌の新発明」を。「無線電灯」「水上歩行機」「空中艦隊防備機」部分。ほかに「最長距離無線電話」「海底ラジウム洋灯」が描かれています。

一等金牌の新発明(『東京パック 復刻版』より)

最後は『時事漫画』(1921年12月11日)に描かれた「海軍縮小の暁」。ワシントン海軍軍縮条約によって艦船が余り、残った船は住宅や国会、小学校になるという話です。これだけ色があせてるのは、当時の新聞原本からスキャンしたからです。

「海軍縮小の暁」(『時事漫画』1921年12月11日)

100年前の潜水艦

ドイツの風刺雑誌『Meggendorfer-Blätter』から潜水艦の画像を公開しておきます。
潜水艦の価値がほとんどわからなかった1903年には、明るい海中探査画像となっています。

人魚も驚く潜水艦(1903年630号)

しかし、第1次世界大戦が起き、ドイツの潜水艦U9が、イギリス海軍の巡洋艦3隻を立て続けに撃沈したことで、単なる戦意高揚漫画となってしまいました。

Uボートでイギリス艦を撃破(1914年1242号)

100年前のミュンヘンで「空を飛ぶ」

仕掛け絵本などで有名なルーター・メッゲンドルファーが、1889年、ドイツのミュンヘンで創刊した風刺雑誌が『Meggendorfer-Blätter』です。訳すと「メッゲンドルファー新聞」。要は、自分の名前を冠した雑誌というわけです(1928年廃刊)。

メッゲンドルファーは、ミュンヘンで刊行されていた『Münchener Bilderbogen』(1848年〜1898年、直訳すると「ミュンヘンの写真の弓」)で仕事をして腕を磨きました。

この『Münchener Bilderboge』1118号(1895年)に載った画像が、おそらくドイツでもっとも有名な未来画像。残念ながら、公的機関でデジタル化されていないようですが、パブリックドメインなので、ポスター販売サイトから転載しておきます。

飛行講習会(1895年)

ドイツの未来画像はここから始まりました。そして、独立したメッゲンドルファーが描いた飛行機の画像は以下の通り。こちらは、ハイデルベルク大学図書館で電子化されているので、そこから転載しておきます。

空を移動(1903年671号)
空で洗濯(1909年982号)
空は危険(1909年991号)