トランプ大統領大追跡
「核のボタン」を撮った!

アメリカ大統領専用車
大統領の車列(先頭が大統領専用車)


 2017年11月、アメリカのトランプ大統領が初来日しました。空前の大警備のなか、大統領の姿を一目見ようと、追跡してみることにしました。
 5日午前10時30分、大統領専用機「エアフォースワン」2機が横田基地に到着。

 エアフォースワンはボーイング747-200Bを使用しており、米空軍ではVC-25と命名されています。基本は2機同時に飛行し、大統領はいずれかの航空機に搭乗します。

 米CBSの報道によれば、入口は2つあり、大統領や家族、特別ゲストは正面に近い入口から、関係者は後ろから乗りこみます。内部にはシャワー付きの執務室、手術可能な医務室などがあり、85本の電話回線と19台のテレビが設置され、もちろんインターネットも使用できます。

 100人以上の食事を供給できるキッチンがありますが、フライヤーがないため、フライドポテトはおいしくないとの評判です。
 
 レーダーを妨害するチャフや、電波妨害で、対空ミサイル攻撃を防ぎます。また、核兵器の爆発で起きる電磁パルス対策が施されており、核戦争下でも通信が確保されています。空中給油も可能なので、有事には、大統領は空の上で長期間執務することができます。

アメリカ大統領専用機
自由の女神の上を飛ぶエアフォースワン(写真/国防総省)

 
 横田基地に到着したトランプ大統領は、大統領専用ヘリ「マリーンワン」2機で埼玉県の霞ヶ関カンツリークラブへ向かいました。横田基地からゴルフ場までおよそ15分、12時前に到着しています。

 大統領専用ヘリには大型の「VH-3Dシーキング」と、中型の「VH-60Nプレジデントホーク」がありますが、今回は前者が使用されました。ともに海兵隊の運用です。

 3つのエンジンのうち1つが故障しても飛行を続けることができ、常に国防総省やホワイトハウスと暗号通信でき、対空ミサイル防衛システムが搭載されています。キッチンでは、核攻撃下でも料理が作れる仕組みです。

 特筆すべきは、強力な防音装置により非常に静かなで、なかでは普通の声で話せるそうです。

 ちなみに、このマリーンワンを操縦できるのは、「ナイトホークス」と呼ばれるHMX-1(第1海兵ヘリコプター飛行隊)のパイロット4名のみです。

アメリカ大統領専用ヘリ
トランプ大統領の乗ったマリーンワン


 上の写真でマリーンワンの後ろのヘリは「スーパーピューマ」とよばれる陸上自衛隊のVIP用特別ヘリEC225で、安倍首相が乗ってきたヘリです。

 トランプ大統領は、カート禁止のゴルフ場で、特別に用意させたカートに乗って移動しました。200メートル離れていましたが、なんとか望遠レンズで撮影できました。

トランプ大統領
カートに乗るトランプ大統領
 

 ゴルフ終了後、トランプ大統領はヘリで六本木のハーディ・バラックス(赤坂プレスセンター)に移動、19時半から、銀座うかい亭で安倍首相と食事です。

 銀座へは2台の大統領専用車「ビースト」でやってきました。米ゼネラル・モーターズ(GM)製の特別仕様車で、「キャデラックワン」ともいわれます。見た目はキャデラックですが、実態はトラックシャーシに分厚い特殊鋼板を施した装甲車です。

アメリカ大統領専用車
大統領専用車


 車体はチタン、セラミックなどでできており、爆弾やバズーカ砲の攻撃に耐えられます。防弾ガラスは13センチ、ドアの厚さは20センチ。窓を閉めると完全に密閉され、化学兵器や放射能からも大統領を護ります。タイヤはランフラットタイヤで、パンクしてからも100キロほど走れます。さらに、トランクには大統領用の輸血パックや酸素供給装置が装備されています。

 ビーストは全部で12台ありますが、今回持ち込まれた2台は同じ番号プレートをつけていました。米側は、来日にあたり事前に2台分のナンバーを取得し、車両の前後それぞれに別のナンバーをつけたそうです。

 大統領専用車の後ろには、通称「ハーフバック」と呼ばれる突発事態への対応車がつきます。通常はリアハッチを開け、シークレットサービスが常に銃を路上に向け、いざというときに備えています。

 さらに、「ウォーワゴン」と呼ばれる武装要員の搬送車も随行していました。車両後部には、自動小銃(M4カービン)を持ったシークレットサービスが乗っていて、襲撃された場合でも武力制圧を行うことが可能です。

アメリカ大統領警護車
ハーフバック

アメリカ大統領警護車
後方がボックス型になったウォーワゴン


 後続には電子戦対応車(Electronic Warfare Suburban)もいました。これは、電波妨害(ジャミング)により、即席爆発装置(IED)の爆発やミサイル攻撃を無力化することが可能です。ついでに狙撃兵を検出するシステムも搭載されているといわれます。大統領の車列にはミサイルが当たらないという、すごい話なのです。

アメリカ大統領警護車
電子戦対応車(屋根のアンテナに注目)


 なお、銀座には来なかったようですが、今回の車列には衛星通信車(Satellite Communications Suburban)も同行していました。
 衛星通信車にはあらゆる通信システムが搭載されており、リアルタイムに軍事衛星と暗号通信が可能。走行中の撮影データをデータベースと照合することで、テロリストなどの検出が可能だといわれます。

アメリカ大統領警護車
衛星通信車(屋根のアンテナに注目)


 さて、実は、ゴルフ場では「核のボタン」の撮影に成功しました。有名な話ですが、アメリカの大統領には、いつでも核ミサイルを発射できるよう、「核のボタン」が常に同行しています。これは黒革で覆われたジュラルミン製のカバンで「フットボール」と呼ばれています。
 ゴルフ場では、女性兵士がヨタヨタと重そうに持っていました。

核のフットボール
核のフットボール


 実際には、カバンの中にボタンはなく、発射コードを記したリスト、大統領の避難先リスト、緊急通信リストなどが含まれています。大統領が持つ「ビスケット」と呼ばれる本人認証用カードと合わせることで核ミサイルの発射にゴーサインが出ます。

 ただし、今回「核のフットボール」は、NHKはじめ多くのマスコミで報道されています。あまりに周知されているので、もしかしたら、このカバンはダミーなのかもしれません。

制作:2017年11月12日

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