ウソみたいでホントみたいな話
禁酒法時代


 → 
ボールかと思ったら、なかから酒が!



 聖書には"use a little wine for thy stomach's sake"という名言がありまして、つまりこれは「汝の胃袋のためにちょっとは酒を飲みなさい」という意味。
 酒を飲むのは人生をかなり幸せにしてくれますが、大学時代に急性アル中で運ばれた俺は、以来、1滴の酒も飲んでいないのであります(ウソ)。
 あぁ禁酒は寂しくも虚しい人生ですが、その昔、アメリカには本当に禁酒法がありました。
 
 1917年、アメリカ連邦議会は禁酒を規定した憲法第18修正を可決、1920年1月17日より、全面的な禁酒が決まってしまいました。これがボルステッド法と呼ばれるもので、以後約14年間にわたって暗黒の時代が続きます。
 不思議なことにこの法律は、酒の醸造・販売・運搬・輸出入を禁止しただけで、飲酒自体は認めていました。つまり、家で飲むのはいいけれど、バーでは飲めないというわけ。違反者は初犯でも罰金1000ドル、禁固6カ月という大重罪でした。
 
 しかしまぁこんな法律、誰も守るわけがなく、世の中には密造酒と密輸酒があふれました。禁酒法施行前、ニューヨークには1万5000しかバーがなかったのですが、禁酒時代には3万2000もの闇バーがあふれたといいます。
 仕切ってたのはアル・カポネをはじめとするギャング連中で、これによりアメリカのアングラ社会が確立してしまったのですな。ギャングは儲けた金で警察や裁判官を買収、アメリカ社会は滅茶苦茶になってしまいましたとさ。

 いずれにせよ、庶民は、当局から酒を隠すのに四苦八苦。
 酒瓶を本棚に隠したり、卵の中身を酒に代えたり、はたまた酒を詰めたホースを腹に巻いて妊婦に化けたりと、涙なくしては語れない。
 今回は、その現物写真を公開です!


地球儀かと思ったら、なかから酒が!



葉巻かと思ったら、なかから酒が!


 結局、税収の落ち込みに耐えかね、1933年に禁酒条項を無効とする憲法第21修正が採択され、12月5日、ついに禁酒法は抹消されました。
 撤廃までに売られた酒は53億リットルと推測されます。儲けたのはカナダの酒造メーカーとギャングだけ、そして悪酒で2000人近い死者や失明者が出たのでした。
 
 今でもアメリカは気が狂ってますが、実は昔から気が狂ってたという、ホントだかウソだかよくわからないお話でした。
 それじゃ乾杯ということで!

制作:2004年4月1日