東京大空襲55周年記念
防空精神は即ち……


 昭和20年(1945)3月10日、アメリカ軍は東京に無差別大空襲を行いました。2時間半の攻撃で消失家屋27万戸、死者8万3千793人(警視庁調べ・「東京空襲を記録する会」発表では10万人)の大惨事でした。


空襲後、廃墟となった東京



 で、日本側がいかに防空意識に欠けていたかを、当時の資料より引用しておきましょう。昭和17年「時局防空必携 解説」によれば、「防空精神は即ち日本精神」であり、焼夷弾が落ちたら土や砂をかぶせ、その上から水をかければいいそうです。とはいっても、焼夷弾は3000度の高温を出す物まであるわけで、それじゃ、絶対消せねーよ、って感じ。


帝都空襲に遭はば〜救護班の活躍
(防毒用ガスマスクに注目!)


●防空精神

 如何に物の準備があつても魂がしつかりしてゐないと役には立たない。特に防空の爲には、老人も子供も、男も、女も、一切の國民が次の心構(防空精神)を持たねばならない。

 1 全國民が「國土防衞の戰士である」との責任と名譽とを充分自覺すること。
 2 お互いに扶け合ひ力を協せ、命を投げ出して御國を守ること。
 3 必勝の信念を以て各々持場を守ること。

 此の防空精神は即ち日本精神である。

●燒夷彈が落ちたら

 防護監視員はブリキ罐、金盥、バケツ等を打ち鳴らし落ちた所を大聲で組内へ知らせる。

二 燒夷彈の落ちた家庭。

 1 防空從事者はなるべく被服を水で濡らし防火に當ると同時に、大聲で近隣に知らせる。
 2 防火のやり方は直ちに周囲の燃え易い物に水をかけると同時に濡れ筵類、砂、土等を直接燒夷彈に冠せその上に水をかけ火焔を押へ延燒を防ぐ。
 3 エレクトロン燒夷彈の火勢が衰へたものは屋外に運び出す。黄燐燒夷彈が飛散つて柱やフスマ等に附いた時は速かに火叩き等で叩き落して消火する。

三 隣組

 1 防空從事者はなるべく被服を水で濡らして直ちに現場に駈けつけ、組長はこれを指揮して全力を擧げて防火に當る。
 2 隣組の力で防火の見込がないと思ふ時は最寄の警防團詰所、警察、消防官署等の何れかに通知して應援を求める。
 3 隣接の隣組が應援に來た時はこれと力を協せ防火に當る。
 4 負傷者には應急手當を加へ、重傷者は直ちに救護所に送る。
 5 不發彈は「危險」「注意」等の札を立て、周圍に縄張し、最寄の警察消防官署又は警防團詰所等の何れかに通知する。

●火災になつたら

一 被服を水で濡らし消火に當る。

二 燃えてゐる所にどんどん水をかける。

三 次の方法により隣家への延燒防止に努める。この場合多量の水が必要であるから水の補給に氣をつけること。

  1 隣家が火焔をかぶつてゐるときは、バケツ、水柄杓、水道ホース等でその場所に水をかける
  2 熱氣をうけて建物の外側から水蒸氣を發散してゐるときは、火を發し易い庇下、妻等に注意して、バケツ、水柄杓、水道ホース等で水をかける

四 風下では飛火の警戒をする。飛火の警戒には水で濡らした火叩きで飛火を叩き消すか、バケツ、水柄杓等で水をかける

五 警防團や消火隊が駈けつけて來たら、その指圖に從つて消防の補助にあたる。



これじゃ、東京も全焼するよなぁ……(苦笑)。