伝単

 終戦間際、アメリカ軍は飛行機から日本各地に謀略宣伝ビラをばらまきました。このビラを伝単といい、厭戦気分にさせるためのさまざまな文章が書かれていました。「紙の爆弾」(出久根達郎・文芸春秋刊)によれば、たとえばこんな文章。
 

日本国民は次の自由(私権)を享有すべきである。
 一、欲望の自由
 一、恐怖からの自由
 一、言語の自由
 一、圧制からの自由
右の自由を得る道は唯一つある。この戦争を惹起した軍閥を除去し、自由国民の仲間入りをし給へ。
 

 あるいは
 

軍閥が支那と戦争を未だ始めて居なかった昭和五年には十円で次の物が買へた。
 一、上等米二斗五升
 一、或ひは夏着物八着分の反物
 一、或ひは木炭四俵
そうして絶望的戦争を続けた今は、十円で買へる物は、
 一、暗取引(やみとりひき)して上等米一升二合
 一、木炭少額(買ひ得れば)
 一、木綿物(品なし)
以上が諸君の指導者の云ふ共栄圏の成行きである!
 

 こんなビラが、昭和20年2月頃から終戦までのおよそ半年間に、458万4千枚がばらまかれたといいます。何万枚という伝単が空から降ってくる光景は壮観だったとか。拾わせるために紙幣タイプが多かったんですが、拾って持ってると非国民として処罰されたそうです。

 で、この貴重な伝単の現物をゲットしたので公開しましょう。