シリーズ「復興建築」その1
三信ビルで、日本初のハンバーガーを!
こちら三信ビルの脇
大正12年(1923)9月1日、関東大震災が起きると、東京・横浜の主たる建物はほとんど壊滅してしまいました。
当然、そこから復興が始まるわけですが、そのとき建てられた建物群を「復興建築」と呼んでいます。一般に、帝都復興祭が行われた昭和5年(1930)までのものを総称するようです。
語弊があるのを承知で書きますが、復興建築はいわば壮大な国家プロジェクトの連続です。つまり、当代一の建築家が腕を競った名建築も多いのです。
しかし、すでに建築後80年近くたち、ほとんどが取り壊されてしまいました。そこで、本サイトでは、すでになくなった建物も含め、その全貌を公開することにしました。
まずは第1回として、解体が決定している有楽町の「三信ビル」を見にいきます。日比谷公園に面した商業ビルです。
三信ビルは、1929年にオープンしました。東西に細長く、外見はわりとシンプルで、それほど面白みはありません。
道路に面した建物の正面をファサードといいますが、こちらはアーチやらなにやら、けっこう複雑です。
日比谷公園側の玄関
玄関もいい味です。なんとも風情ある「おす」でしょ? で、なかに入るとこんな水道場?も。
水道は現在使用できません
この建物の特徴は、90mも続く長〜いアーケード。2層の吹抜けになっていて、しかも重々しいアーチがつながっているので、非常に迫力があるのですよ。
2階に行けば、鳥のレリーフなどが並んでいて、信じられないほど手間暇かかっています。これが復興建築の実力ですな。
こんな鳥さんがズラリ!
せっかくなので、三信ビルの建築当時の写真を公開しておきます。
1930年の三信ビル
こちらは設計図。円形のエレベーターホールがおしゃれ
さて、三信ビルの1階には、ニュー・ワールド・サービスという喫茶店があります。ぱっと見、しょぼい店なんですが、それは当たり前。昭和23(1948)年にオープンして以来、1度も改装していないのです。
ニュー ワールド サービスの外観と内観
この店は、GHQのコックからレシピを譲り受け、日本で最初にハンバーガーを出した店です。その名はデラックスバーガー。
これだ↓
まさに王道というか、いかにもアメリカンなハンバーガーですな。ぱりっとしたパンに厚さ2センチはあるほくほくした肉が、本当においしいんですよ。
これでコーヒーがついて800円。絶対おすすめですが、午後3時から5時は、なぜか出してくれません。俺はこれで食いそびれたことがあるので、これから行く人は気をつけてね。
さて、この店はいつ閉店するか未定ですが、2006年春には閉めざるを得ないと思われます。その後の予定は何も決まってないそうですが、もしかしたらこのまま閉店してしまう可能性もあります。もう食べられなくなるかもしれないと思うと、ちょっと寂しいなぁ。
ちなみにこの店は、東京で初めてソフトクリームを出した店でもあるそうです。
制作:2006年3月9日
DATA:三信ビルヂング
住所:東京都千代田区有楽町
設計:横河工務所(大阪)/松井貴太郎
施工:大林組・清水組
工期:昭和3年7月〜昭和4年5月