鳥瞰図の世界
関東大震災鳥瞰図
関東大震災鳥瞰図
大正12年9月1日(土曜日)、関東大震災が起こりました。
神奈川県鵠沼に住んでいた岸田劉生の日記によれば《湘南、横浜東京を一もみにつぶした》 大地震で、
《十二時少し前かと思う、ドドドンという下からつきあげるような震動を感じたのでこれはいけないと立ちあがり、蓁(しげる=劉生の妻)もつづいて立って玄関から逃れようとした時は大地がゆれてなかなか出られず蓁などは倒れてしまった由、ともかく外へ出るとつなみの不安で、松本さんの方へかけ出そうとすると照子(=劉生の妹)が大地になげつけられ松の樹で眼をやられたとて蓁がかかえて血が流れている。ああ何たる事かと胸もはりさけるようである……》
と地上の人々はずいぶん悲惨な状況でした。
で、それを空から眺めてみると……

この震災鳥瞰図は、震災翌年の朝日新聞の付録ですが、初三郎の非凡さが実感できるでしょ? ちなみに全体像はこんな感じ。

左には静岡市から富士山、右には外房から宇都宮まで描かれています。
ちなみに初三郎は、戦後、原爆鳥瞰図『HIROSHIMA』も描いています。2001年8月に発見されたんですが、原爆投下を時間を追って描いた8枚の連作です。『吉田初三郎のパノラマ地図』にその一部が公開されていますが、紫色になった広島が炎上してる画像は壮絶。絵のパワーには感嘆せざるを得ないのでした。
制作:2002年9月2日
