2030-2050年の未来予測
2050年、日本はシカとイノシシの天国に!

ブルジュ・ムバラク・アルカビル
クウェートに建設予定の250階建て1001mの高層ビル「ブルジュ・ムバラク・アルカビル」


 2012年から2013年の頭にかけて、各国・各機関からさまざまな近未来予想が発表されたので、内容をざっとまとめておきます。

 まず野村総研の「未来年表<2013-2060>」では、すでに公表されたものが列記されています。そこから面白いものを引用しておくと、

●2016年   クウェートに1001mの高層ビル建設
●2016年以降 宇宙太陽光発電の衛星打ち上げ
●2019年   メタンハイドレードの商業化
●2020年   中国が大型宇宙ステーション建設
●2020年頃  アメリカが世界最大の石油生産国となり、中国が世界最大の石油輸入国に
●2023年   日本の借金が1300兆円(内閣府)
●2025年   世界の人口が80億人(国連)
●2025年   中国がGDP世界一に(内閣府)
●2027年   リニアモーターカーによる新幹線(東京ー名古屋)開業
●2045年   リニア中央新幹線(名古屋ー大阪)開業
●2050年   日本の人口が9707万人(国立社会保障・人口問題研究所)、うち65歳以上が38.8%(内閣府)



 JAXA(宇宙航空研究開発機構)は2017年を目標に、宇宙に太陽光パネルを送り出す予定です。この宇宙太陽光発電が実現すると、天候に左右されずに無限に電気を安定供給できるようになるのです。
 ただし、これは宇宙から強烈なマイクロ波を発信するため、強力な宇宙兵器にもなりえます(指向性エネルギー兵器)。そのため、実用化するかどうかはよくわかりません。

宇宙太陽光発電の衛星
夜でも発電できる宇宙太陽光発電(JAXAのサイトより)


 エネルギー関係でもっとも重要なのは、アメリカで起きているシェールガス革命です。
 シェールガスは頁岩(シェール)層から採取される天然ガスのことで、最大のメリットは低コストにあります。1キロワットを1時間発電するのに、石油は10円、風力は20円、太陽電池は35円のコストがかかるそうですが、シェールガスはわずか6円とされています。

 埋蔵量も豊富で、石油が20〜30年、石炭が70〜80年で枯渇すると言われるのに対し、既存の天然ガスと合わせれば200〜300年はもつとされているのです。

 実はこのシェールガスの4割がアメリカにあるため、今後、間違いなくアメリカが世界最大のエネルギー産出国になるんですね。
 その一方、中国は人口増と工業発展により、世界最大のエネルギー輸入国になります。このエネルギー争奪戦が紛争を招く可能性はありそうですね。


シェールガスの概念図
地底深くから採掘するシェールガスの概念図(米EIAのサイトより)


 このあたりの話は、アメリカの国家情報会議(The National Intelligence Council,NIC)が公表した『グローバル・トレンド(世界の潮流)2030:もう一つの世界』という報告書がよく研究しています。この報告書によれば、2030年までにアメリカは徐々に力を落としていくが、中国も他の大国も覇権的なパワーを握ることはない、としています。

 具体的に見てみましょう。まず、2030年までに、以下の4大潮流が起こると想定しています。

 1 個人の力が増大
 2 世界は多極化に向かう
 3 富と人口が大きく移動
 4 食料、水、エネルギー問題が増大


 そのなかで、

●2030年には世界人口が83億人近くに達し、中流階級が増大する
●中国、インド、ブラジル、カンボジア、インドネシア、ナイジェリア、南アフリカ、トルコなどは経済発展するが、ヨーロッパ、日本、ロシア経済は緩やかに低下していく
●2030年、中国は世界一の経済大国として君臨しているが、生産性はいつまでたっても向上せず、1人あたりGDPは先進国に追いつかない。そのため、対外強硬策をとる可能性が高い。しかし、中国の栄華は長く続かない
●アメリカは世界帝国の地位に戻ることはないが、豊富なエネルギーで世界の安定勢力として貢献
●中東は民主化と中産階級の増大で落ち着くが、石油枯渇で衰退


 としています。数字をあげると、

●アメリカ、ヨーロッパ、日本の経済規模は、現在あわせて世界の56%あるが、2030年までに半分以下に
●2030年には現在約50%の都市人口は60%(49億人)まで上昇する。経済成長の80%が都市によって作られる
●2030年までに食料需要は35%、水需要は40%、エネルギー需要は50%増加する。世界の人口の半分は水に苦しみ、アフリカと中東は食料と水不足の危機に瀕する。中国とインドはさらに脆弱


 といった感じです。先進国も開発途上国も労働力不足に苦しみますが、人間が今よりさらにグローバルに動いていきます。しかし、食料、水、エネルギーの争奪戦により、精密な爆撃兵器、サイバー兵器、バイオ兵器を駆使した新しいタイプの戦争が起きる可能性があります。
 
 ちなみに、2030年までに電気回路やアンテナ、バッテリー、メモリーなどの電子機器が人体とミックスされるとしているので、機械兵士みたいのができているかもしれませんね。

中産階級の増大
中産階級の増大(『グローバル・トレンド2030』より)


 アメリカの予想は2030年の世界ですが、イギリスの経済誌『エコノミスト』は2050年の世界を予測しています。面白いものをあげると、

●高齢化にともない、アルツハイマーが増大、製薬会社は大儲けのチャンス
●微細な細胞を積層させ、3D印刷のように臓器を製造できる
●2050年までに車は運転中にほかの車と情報共有できるようになる
●香港、インドに次いで、ナイジェリアが映画の都に
●戦争はほとんど無人機とロボットの戦いに
●2025年、中国の有人宇宙船が月面に、2035年、アメリカの有人宇宙船が火星に着陸


火星に到着した人間
火星に到着した人類(NASAのサイトより)

 
 具体的な数字をあげると、

●中国の人口は2025年に14億人でピークを迎え、その後減少
●2050年には世界の半分がアジア経済に
●世界の中流階級は、現在の世界人口比7%から、2030年に17%に上昇


『エコノミスト』は、日本の将来をかなり悲観しています。

●2010年に世界経済の5.8%だった日本のGDPは、2030年に3.4%、2050年に 1.9%となる
●2050年の人口1人あたりGDPはアメリカ100に対し、日本58、韓国105


 日本のGDPは韓国にも負けるってひどい話ですね。
 しかし、この日本衰退予測は、日本でも公表されています。

 経団連「グローバルJAPAN」は2050年の世界を予測したものですが、これによると、

●2050年、中国の人口は13億、インドが17億人で、日本は9700万人
●2050年、GDPは最善で世界4位だが、米中の6分の1、インドの3分の1以下。最悪で中国の8分の1以下、インドの5分の1で世界9位
●2050年、1人あたりGDPは韓国にも負け世界18位


 まぁ、国民の4人に1人が75歳以上なので、国力が落ちるのもやむを得ないんですが……。
 では、そのとき、日本の国土はどうなっているのか。国土交通省「国土の長期展望」によると、

●2050年までに、いま人が住んでいる場所の2割が無人に   
●2050年の総人口は9515万人となり、2005年の1億2777万人に比べ約3300万人減少
●東京がきわめて高齢化する(高齢人口は2040年まで増加。東京圏がその半分)
●平均的な就業、婚姻の時期は4〜5年遅くなる
●2050年までに国民の総生活時間は2割、総仕事時間は4割減少


 そして、

●気温の全国平均値は2050年に2.1℃上昇、雪は減り、二期作が可能に
●人口減と温暖化でシカやイノシシの生息可能域が拡大、害虫も拡大


 米は二期作できるが、農民はいない。無人の場所が増え、そこには鹿や猪が闊歩するという……40年後には、かなりすごい未来が待っているのですな。

エゾジカ
北海道では今も普通にエゾジカが見られます

1901年の未来予測
1920年の未来予測
1990年の未来予測
未来予測の画像集

制作:2013年2月10日


<おまけ>
 BBCが2150年までの未来予測を発表しているので、面白いものをあげておきます。

BBC未来年表
BBC未来年表

●2014年 100ドル以下で自分の完全な遺伝子情報が手に入る
●2015年 最初の死なない鼠が作られる
●2016年 夏の間、北極地方の氷がなくなる
●2017年 コンピューターが嗅覚を得る。人々はスマホ経由でお互いを触れられる
●2019年 高解像度の義眼が発売される
●2020年 核融合の実証実験に成功する。アラル海が完全に干上がる
●2024年 脳からコンピューターにコンテンツをアップロードできる
●2025年 アメリカでは人口の50%以上に体内埋め込み型追跡システムが
●2030年 多くの航空機がパイロット不要になる。中国が月の領土を要求する。世界政府が設置される
●2035年 チェルノブイリ近郊が国立公園になる。脳から直接記録を取れる
●2037年 車の完全自動運転が実現
●2045年 人類最高の知能を越える機械が生まれる
●2050年 高さ10キロ以上の高層ビルが完成。金持ちは子供の遺伝子を選択できる
●2060年 火星基地が設置される
●2062年 最初のクローン人間が登場
●2100年ー2112年 新たな氷河期が始まる。アメリカでは税制が廃止。人工知能が起業する
●2150年 人類の寿命は150年を越える


火星基地
火星基地(NASAのサイトより)


<ソース>
●NRI(野村総研)未来年表 2013-2060
http://www.nri.co.jp/publicity/2010/nenpyou.html

●経団連『グローバルJAPAN - 2050 年 シミュレーションと総合戦略 -』
http://www.21ppi.org/pdf/thesis/120416.pdf

●国土交通省「国土の長期展望」中間とりまとめ
http://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/kokudo03_sg_000030.html

●イギリス・エコノミスト「2050年の世界 英『エコノミスト』誌は予測する」(単行本)

●米国家情報会議「Global Trends 2030: Alternative Worlds」(英語)
http://www.dni.gov/index.php/about/organization/national-intelligence-council-global-trends

●イギリスBBC「Tomorrow’s world: A guide to the next 150 years」(英語)
http://www.bbc.com/future/story/20130102-tomorrows-world

広告
© 探検コム メール