めかい

〔眼かい〕視力。「目かいのみえぬものでございます」
めかけてかけ
〔妾手掛〕妾のこと。手掛とは、手にかけて愛するものの意味。
めがたきうち
〔女敵討〕姦夫を夫が討つこと。近松門左衛門「鑓(やり)の権三重惟子(ごんざかさねかたびら)」はその典型的な例。
めがはいる
〔目がはいる〕確実な計算。
めくぎをしめす
〔目釘を湿す〕刀剣の身が柄(え)からぬけぬよう目釘孔(めくぎあな)にさす竹釘、それが接戦中飛び去らぬよう唾(つばき)などでしめして刀をぬく用意をすること。
めくじらをたてる
ほんの一寸のこともガミガミいう。目に角をたてる。
めしかえす
〔召し返す〕帰参を許す。解雇・追放した家来をふたたび採用する。
めしつれうったえ
〔召連訴え〕共に本人を引っ張って行って訴えること。
「失礼なことをいふと召連訴へをするぞ。」(三遊亭円朝「名人長二」)
めせんりょう
〔眼千両〕1000両の値うちがある美しい目。
めだま
〔女玉〕→「たま」
めつけ
〔目附〕若年寄にじかに属して旗本等を監察する役人。
めっける
みつけるのなまり。
めっけもん
みつけもの。未(ま)だしもよかった。不幸中の幸。
めっそう
〔滅相〕大そう。
メッチ
マッチのこと。
めっとうじん
〔女っ唐人〕女の外人。→「おっとうじん」
めっぱりこ
〔目張りこ〕目を見張り合うこと。大正中頃の米騒動のときの阪井久良伎(くらき)の川柳に「暴動がいまに来るよと目張りこ」がある。
めっぽうかい
〔滅法界〕バカに。ひどくの意味。滅法界に強い、滅法界におどろいたなど。
めつまに
〔目つまに〕目に。つまは強くいった場合。「人の目つまにかからぬうちに」など。
めづら
〔目面〕めつき。「目面がよくない」
めぬきもの
〔目貫物〕刀の目貫を煙草入、胴乱(どうらん)の金具にしたもの。
めのくりだま
〔目のくり玉〕目玉のこと。「目のくり玉がでんぐり返った」
めのよるところへたま
〔眼のよる所へ玉〕似たようなもの同士が集まる。黙阿弥の「髪結新三」では、ならず者の新三を上廻るしぶとい家主長兵衛が新三をぎゅうぎゅうしぼって、悪銭を半分まき上げると、そこへ長兵衛の女房お角が入ってきて店賃(たなちん)の滞(とどこお)りをごっそり2両取り上げる。そばで新三の子分勝奴が「おやおや、目の寄る所へ玉といふのだ」と苦笑する。この場面が実によくこのことばの感じをいかしている。
めはなのあく
〔目鼻の明く〕気の利いていること。
めみえちゅう
〔目見え中〕見習い中。奉公するかどうか、きまらないで来ている女中や下男。遊女が女郎屋につとめるはじめに、ためしに使われることもいう。落語「百川(ももかわ)」の百兵衛、「元犬」の白などが、ちょうどこの状態である。
めやすかたこうようにん
〔目安方公用人〕民事訴訟にたずさわり、奉行の公用をした諸役人。
めり
ものがへること。費用のかかること。損害。「大へんメリがでた」
めろめろ
めそめそ。
めん
〔面〕容貌。顔。「面がまぶい」などという。→「まぶな」
めんけん
〔瞑眩〕目のくらむこと。目まい。
「そちが飲ませし水薬に、めんけんなして死したる由。」(河竹黙阿弥「綴合於伝仮名書(とじあわせおでんのかながき)ーー高橋お伝」)
めんどり
〔面取〕木口の角を浅くけずってあるのを面という。すなわちそういう木取った造作の格子のこと。栂(つが)の木などがよく使われた。栂の面取の出格子は、舞踊や邦楽の師匠の家などに多かった。→「でごうし」
めんばれ
〔面晴れ〕白い黒い(正しいか正しくないか)をハッキリさせること。
「恋人ゆゑに庇(かば)ふとしても、其手(そのて)は喰はぬ御前(ごぜん)の面晴れ、但し不義をして居ずば、有様(ありてい)に言ふがいい。」(河竹黙阿弥「富士額男女繁山(ふじびたいつくばのしげやま)ーー女書生」)